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アメリカ大使館での公証手続について

アメリカITINの取得方法について教えて!

───予約から当日の流れ、料金まで───

アメリカ向けの書類を作成する際、「アメリカ大使館での公証が必要」と案内されることがあります。たとえば、米国の銀行口座の解約依頼書、委任状、婚姻・離婚関係の書類、各種宣誓供述書などが典型です。日本の公証役場ではなく、駐日アメリカ大使館や米総領事館で「アメリカ式の公証」を受けることになるため、通常の日本の公証手続とは流れやルールが少し異なります。
ここでは、東京のアメリカ大使館で行う公証手続を皆様にもイメージしやすいように、予約方法、当日の流れ、料金の目安を中心に整理してみます。

1 予約は必須、オンラインでの事前予約が前提

現在、アメリカ大使館・総領事館の公証サービスは、原則として完全予約制で運営されています。米国大使館の案内でも、旅券や出生届、公証などのアメリカ市民サービスは、事前にオンラインで予約するよう求められており、予約なしで大使館内に入ることはほぼ不可能です。
予約は、駐日米国大使館の公式サイトからアメリカ市民サービス(American Citizen Services)の予約ページにアクセスし、希望する公証サービスの種類と日時を選択する形です。利用者は米国籍でなくても構いませんが、予約画面で氏名や連絡先、必要な手続の内容を入力する必要があります。
公証は一回の予約で複数の書類を扱ってもらえることが多いので、同じ日にまとめて公証してほしい書類があれば、できるだけ一度の予約にまとめておくと効率的です。ただし、予約枠には限りがあり、繁忙期には希望日時が取りにくいこともあるため、渡米予定日や書類の提出期限から逆算して、余裕を持ってスケジュールを組むことが重要です。

なお、アメリカ国務省の案内では、在外公館の公証サービス以外にも、米国内のオンライン公証や日本の公証役場の利用といった代替手段に触れており、書類の性質によってはそちらを検討する余地もあるとされています。

2 当日の持ち物と大まかな流れ

予約が取れたら、当日に向けて準備を整えます。国務省のガイダンスによると、在外公館で公証を受ける際には、必ず本人が対面で出頭し、身分証明書を提示することが求められます。
一般的には、次のようなものを用意することになります。

  • 日本または他国の有効なパスポートなど、写真付き身分証明書(マイナンバーカードや運転免許証も可)
  • 公証してほしい原本書類(原則として、事前に署名してはいけない。領事の面前で署名する必要があります)
  • 予約確認メールのプリントアウトまたは画面
  • 場合により、証人(書類の種類によっては署名立会人が必要なことがあります)

特に重要なのは、「署名欄は空欄のまま持参する」という点です。多くの書類は、領事官が目の前で本人確認を行い、宣誓や確認の言葉を述べたうえで、その場で署名することが求められます。国務省も「事前に署名しないように」と明示しています。
当日は、予約時間より早めに大使館前に到着し、入口で予約の有無や身分証のチェックを受けます。その後、空港のようなセキュリティチェックを経て、大使館の敷地内に入ることができます。そして、アメリカ市民サービス窓口の待合スペースに案内される流れが一般的です。
公証の窓口では、まず職員が書類の内容と公証の種類を確認し、必要なサインの箇所や人数、証人の有無などをチェックします。それを終えた後に会計窓口で料金を支払い、窓口に戻って領収書を職員に提示します。そうした後、領事の前で本人確認が行われ、内容について「真実であることを宣誓する」あるいは「この書面に自分が署名することを認める」といった趣旨の確認がなされます。
領事の指示に従って署名を行うと、領事が公証文言と署名、公式印(シール)を付し、これによってアメリカ大使館の公証として効力を持つ書類が完成します。

3 料金(手数料)の目安と支払方法

公証の手数料は、世界中のアメリカ大使館・総領事館で原則統一されており、アメリカ国務省の案内によれば「1件あたり1つの領事印につき50米ドル」とされています。

一つの書類に複数の署名欄があり、それぞれに領事の署名とシールが必要になる場合には、その数だけ料金が加算されます。逆に、一回の予約で複数の書類を持ち込んでも、領事印の数が限られていれば、その分だけの支払いで済む形です。
支払方法は公館によって多少異なりますが、クレジットカードのほか、現地通貨(日本円)による支払いが認められているのが一般的です。国務省は「支払方法は各大使館・総領事館の案内を確認すること」としており、実際に利用する公館のサイトで、現金の可否や使えるカードブランドなどを事前にチェックしておくことが望ましいといえます。

また、米国務省の最新の手数料表が改定されると、世界中の在外公館で一律に料金が変更されます。為替レートの変動に伴い、日本円ベースの金額感も変わり得るため、「1件あたり50米ドル相当」という原則を押さえつつ、実際の請求額は必ず最新情報で確認するようにしましょう。

アメリカ大使館での公証は、一見ハードルが高そうに見えますが、流れ自体は比較的シンプルです。事前予約をきちんと取り、書類を署名前の状態でそろえ、本人確認のできる身分証を持参する。この三点を押さえておけば、手続き自体は落ち着いて進めることができます。
一方で、どの書類を公証すべきか、アメリカ大使館での公証が本当に必要なのか、日本の公証役場やアポスティーユで代替できないか、といった点は、書類の提出先(米国の裁判所、銀行、行政機関など)によって判断が分かれます。具体的な案件で迷われる場合には、提出先の指示と併せて、国際業務に詳しい専門家にも相談しながら進めると安心です。

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